とまとさんの生存報告。

働きながら最終的に小説家になりたい人のブログ。

やりたいことは二度寝だけ、二度寝とは遠くにありて想うものという津村さんのエッセイの感想。

 

みなさん、GWいかがお過ごしでしょうか。

この前、体調を崩しておりましたが私はなんとか元気です。

読書できるくらいなので、大丈夫だったのでしょう。

断捨離の一環として、積読を減らすことをモットーに読んでいました。

やりたいことは二度寝だけ (講談社文庫)

やりたいことは二度寝だけ (講談社文庫)

 

 

 

二度寝とは、遠くにありて想うもの

二度寝とは、遠くにありて想うもの

 

 

津村記久子さんといえば、芥川賞作家さんです。関西弁と仕事の話が多いでしょうか。

とても親しみやすい感覚を持った方ですが、やはり作家さんとあって考える発想が違います(笑)

この作者さんなら「ポストライムの舟」とか有名でしょうか。

私は「カソウスキの行方」で好きになりました。

 

やりたいことは二度寝だけ

 

タイトルではそうなのですが、二度寝される話はなかったりします(笑)

津村さんは途中まで兼業作家さんでした。

 

「作家で会社員」という章にて自身の作品にショッピングモールがでてくることから友人のYちゃんとあてもなくショッピングモールでうろうろして、津村さんは将来の不安、Yちゃんは会社の愚痴という、いつもやっている話題をしながら暗くなってきて、バスなくなったらダメなので、あわてて千里中央まで戻り、そこで開いている店に手当たり次第に入って、満足した話――が私かよ、と思って読み進めてました。

 

私と友人にとてもある現象です。

途中で、おしゃれな雑貨とかモールで売っているのですが、結局「生活に余裕のある人向け」という結論を下すところとか、よく私も話してます。

 

たまに出てくる友人Yちゃん。突発的に〇〇へ行きたいといって外に連れ出してくれるわけです。私も自発的に出かけることが少ないので友人の〇〇行きたいという提案は大事かもしれません。

それを題材に津村さんは書くこともあるそうですよ。

映画や美術館、食事などは行きたいところがあるそうですが大まかな場所への欲求は自分でもよくわからないそうです。

わかる。

 

「再犯の恐れ有り」という話も私は共感しました。

出先で何回トイレに行けるのか、と先の予定にまで不安が及ぶ……私もなんです。

津村さんは二十代のころに、バスツアーの帰りバスを止めたそうです。

ことなきを得たわけですが、年をとった自分が果たして我慢できるのかが不安だそうです。けれど、いつも「なんとか大丈夫」だそうです。

トイレに行きたくならない食事を検索しても「水分を取らないようにする」くらいしか出てこないそうで、そのトイレに行きたくならない食事が開発されるまで自分を信じることができないとしめくくられていました。

 

私の場合、物流の受付をしていますが、接客中にトイレ行きたくなって人に代わってもらったことがあります。

そんなときから、もう会社では水分を取らない傾向となりました。電車やバスでもトイレに行ける状態じゃないと不安になります。

パニック障害とか不安症という類でしょうか。

 

津村さんはのちの章にてお茶が好きと書いていました。カフェインなどがそうさせるのかもしれませんね。どうなのかな。

コーヒーとか好きでよく飲んでいますが、私が思うにこの習慣もトイレ不安にさせるのかなあ、と。

 

「こんなはずではなかった」にて、活字まわりのことを書いておられました。

幼いころから、シールをはがして勉強などで達成したら張ることが楽しみだったそうです。大人になった今では、裏紙(会社で使った不用紙が今のところベストのようです、のちに理想のノートの話出てきます)をミシン目カッターの切り目をとってマスキングテープで台紙に張り付ける「ごほうび」のために書いているそうです。

モチベーションを上げるためですね。達成感は何かしらで必要です。

これ、真似してみようかな。

津村さんにとってメモは「可能」なもので小説は「不可能」なもの。可能を集めてなんとか小説に恐る恐るしているそうです。

芥川賞作家でもやっぱり不安なものは不安なんですね。

 

二度寝とは遠くにありて想うもの

 

「おととしの教え」では、私も教えにならおうと思ったものがあります。

津村さんは手帳に色々書かれていてアドバイスになるものもあれば無駄なものもあるなあと書いておられて、その中でも「無価値な疎外感に浸らない」とかいいですよね。

あと、ムダ毛は毎日風呂で惰性で剃ればそれほど生えてこないとか「そうかも」と思えました。

 

「環境音の暗示」には集中できるように雨の音を聞いているとありました。昔は音捜しが大変でしたが今は無料で雨の音聞き放題。

眠るときに聞いてみましたが、落ち着きますね。

「裏紙と人」では会社のデスクの引き出しにある裏紙の用途について模索したものが面白かったです。

津村さんはそれを小説のメモに消費などしていたそうですが、それにしても限度があります。なのでコースターとか油取り紙、製本してノート、大き目の付箋などなど。

あと食べるという選択肢もありますと提案してました(笑)

「友達がいなさそうが罵倒の文句になる理由」

この友達がいなさそう、ほど人格否定の言葉はないだろうというもの。

最近、テレビとかでも話題にあがってたなあ。

友達がいなさそうって、友達すら作れなさそうという孤独なもの。

人は孤独を忌避していることから由来するのだろうけど、便所飯があるくらいだから、他人にそう思われるのは、避けたいことなのでしょう、という内容でした。

大人になった一人で平気なのに学校で一人で食べるのは抵抗ありますよね。

とはいえ、私も友達少なかったので教室でひとりで弁当食べることは多かったですよ。

友達いなさそう、と思われていたんでしょうね……ってほっとけって話ですよね。

 

まとめ

津村さんはスポーツ観戦や美術館巡りも好きなので専門的な感想もありました。

とてもすごい作家さんとは思えない地味な生活です。

ですが、私はとても親近感がわきます。

それは津村さんが働くことにちゃんと向き合っていること、様々なことへの興味や関心、アンテナが広いことに関連するのでしょう。

きっと、あなたも読めば共感もてるはず。出会わない小説を書こうと思ったのも世界は出会わないことの方が多いから、と。

緊張した雰囲気でも「唐揚げないの?」という言葉が発することができる唐揚げ王子のようにだれかを和ませる話を書きたい、という箇所からも、誰かに寄り添うことができる感覚を持ち合わせた方だと思います。

私も小説を書き始めたのも友達に読んでもらうためでした。

読みたいと言ってくれた友人らには感謝してます。

誰かを幸せ、まではおこがましいですが、「ま、がんばるか」と思ってもらえる物が書けたら、と津村さんにやる気をもらった次第です。