「花野井くんと恋の病」4巻の感想!
花野井くんと恋の病。
とても、表紙からでは「イケメンの初彼キュン」みたいな話としか伝わってこないのですが。
この漫画の面白いところは、花野井くんが思ったより病んでます。
今まで何人も付き合ってきて、重い愛をささげ降られてきました。
または、相手の彼女が壊れる。
で、恋をしたことがなかった「ほたる」ちゃんと付き合うことになったわけなんですね。
ほたるちゃんは本当にいい子。
けれど、小学校の頃に人間関係でトラブルになってから、実はトラウマがあります。
で、恋に恐れを抱いてました。
けれど、花野井くんへの思いは本物だと確信して、ついに本巻では本物の「彼氏彼女」となりました(お試し期間でした)
まあ、今までの巻では花野井くんの謎の重さ。
過去に何があったのだろう? くらいにしか思っていませんでしたが、どうしてそうなったのかが今回の巻でだいたいわかります。
まだ本人らはお互いの深い触れてほしくないところにまで、繋がっていない感じですね。
とにかく内面を丁寧に描いています。
いいなあ、彼氏彼女! という感情よりもお互い思いやることの難しさが描かれているような気がします(少女漫画というのはそういうものか)。
花野井くんもほたるちゃんに遠慮しているところや我慢しているところがあって、あまり話さないタイプの青年です。
でも、本当にほたるちゃんのことは好きで、暗い気持ちになったときも、顔をみると笑顔になるのです。
また、置いていかれるのかもしれない。
彼の中で、そういった感情が生まれます。
花見のときの話、とてもよかったです。
また、誰かの一番にはなれないのか、と失望していたところ、ほたるちゃんがやってくるところはわかっていても、私も心動かされました。
森野萌さんの描き方がとても美しいですね。
この作者さんは「おはよう いばら姫」を連載されておりました。
本作は不思議な話でしたが、私絵柄がとても好みでした。
ほたるちゃんが彼の心の闇を癒すのだろうと、読んでいて思うわけですが、4巻の最後で衝撃の事実が。
(みんな、気づいていたのかな)
なるほど、花野井くんがほたるちゃんを大切にする理由がわかりました。
ほのぼの初恋漫画だけではない今後の展開に期待です。
とても、心が冷たくなったり、温かくなったりする漫画です。
十代だけではなく、人に大事なことを伝えることができない大人もぜひ、読んでほしいお話だと思います。