『コーヒーが冷めないうちに』映画の感想。
有村架純さん主演の「コーヒーが冷めないうちに」をレンタルして観ました。
実はそこまで興味があったわけではないのですが、映画レンタルしたときのCMでやってて面白そうかな? と期待値低めに観たのですが。
これ、あかん。泣ける映画でした。
この前、世にも奇妙な物語やってましたがそれの泣ける奇妙な話って時々あるでしょ。それの連作、みたいな話でした。
キャッチコピーは「あの日に戻れたら、あなたは誰に会いにいきますか?」です。
都市伝説として、とある喫茶店には過去に戻れる席があるといいます。
そこに座って珈琲を淹れてもらうと戻りたい過去に戻れるのです。
ただし、今回の話で面白いところが「ルール」があるところ。
過去に戻れる席には石田ゆり子さん演じる女性がいつも座っています。
なんと彼女は幽霊だそうです。
物いわず、ずっと本を読んでおられます。
時々、トイレにたつのでそのときにすかさず席につき、珈琲を淹れてもらう。
過去に戻れるのは喫茶店内にいる過去だけ。
珈琲が冷めないうちだけ。
冷めないうちに、飲み干さないと現実に戻れないそう。
めちゃ、短いんですよね。
それでも過去に喫茶店で大事な話をした人や、会えない人に出会った人は過去に数分でもいいから戻りたいと願います。
しかし、過去は変えられません。
過去に戻って、何かを伝えても現実は変わらない。
一見、救いがない悲しいだけの再開の物語と思えるのですが、過去に尋ねることができなかったこと、言えなかったことを言うだけで現実をも変えることができるのです。
映画をみて、「今」という一瞬をどう生きるかって本当に大事なことなんだと思いました。
たった、コーヒーが冷めないうちに大切な人に会うだけで何かが変わることってあるんですね。未来をも変えることができる。
映画に出てくるお客さんは、
アメリカへたつ幼馴染と喧嘩別れしてしまった男女。
病気で記憶を失った妻と介護する夫。
妹を亡くしてしまった姉。
死んだ夫に会いにいって過去から戻れなくなった女性(幽霊)
コーヒーをいれてもらって、過去に戻る瞬間。まるで水面に落ちるように過去に潜ります。揺らめく店内。
一人、一人、とても美しく描かれております。
泣ける映画って私、苦手なんですが(涙腺弱いので)これは大丈夫そうだと思ったのに結局、涙があふれてしまいましたね。
有村架純さん演じる、毎日コーヒーをいれる女性側にも戻りたい過去があります。
終わり方は、謎がとけて、しかも温かいオチに優しい気持ちとなりました。
過去から戻れない女性。変えられない運命。などぞっとするところもアクセントなってよかったです。
小説がとても人気になって映画化になるのはよくわかります。
一人、泣きたいときはこちらの映画をコーヒーと一緒に観ることをお勧めします。