とまとさんの生存報告。

働きながら最終的に小説家になりたい人のブログ。

これは経費で落ちません! の作者の新作「派遣社員あすみの家計簿」読了しました。

 

派遣社員あすみの家計簿 (小学館文庫キャラブン!)

派遣社員あすみの家計簿 (小学館文庫キャラブン!)

 

NHKにて放送されてました、多部未華子さん主演の「これは経費で落ちません!」の原作者である青木裕子さんの著作「派遣社員あすみの家計簿」を読了しました。

年末ごろには読み終わっていたのですが、今頃感想であります。

 

ストーリー

家計簿をつけながら、生活も恋も立て直し!

「結婚したら専業主婦になって、ぼくの収入は好きに使っていいよ」――飲食店の社長だと自称していた恋人の理空也に騙され、正社員として勤めていた会社を“寿退社”してしまった藤本あすみ、28歳。理空也は姿を消し、残ったのは二人で贅沢したぶんの高額なカードの支払いだった。通帳の残高は428円。ピンチに陥ったあすみは親友の仁子に説教され、家計簿をつけることに。
とりあえず派遣会社に登録したものの、なかなか仕事は決まらない。シャンプー配りや絵画展の監視員、倉庫整理の日雇いと必死の節約で食いつなぎ、日雇い仲間のミルキーやシングルマザーの深谷、仁子に支えられながら、ようやく派遣先が決定する。そんな中、あすみは合コンで出会ったイケメン商社マンの八城からアプローチを受けるが、いまだ理空也への思いを断ち切れずにいて……
家計簿とにらめっこしながら、自分を甘やかしてばかりいたルーズな生活を立て直し始めたあすみ。人生に迷子中のアラサー女子の、仕事と恋の行方は!?
『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~』シリーズが大人気の著者による新シリーズ!

 

Amazonより引用

 

感想

この主人公のだめさ加減で冒頭で読むのどーっすかなと思ってしまいました。

友人の仁子にまず、もやしとたまごと買って家計簿つけるの、と言ってアドバイスだけでそのとき相談で会った喫茶店のお支払いも払うことはしていないのが、いい友人だと思いました。

頼れないからこそ、主人公がどんどん変わっていくのです。

考え方も強くなっていきます。

この八城さんいい感じの人なので、2巻ではどうなっているのでしょうか。

実は後半部分で別れた(だました)元カレが出てきます。

顔がいいみたいですが、せっかくだまされていたのだと自覚しはじめた主人公を邪魔しそうですね。

主人公はいわゆる大手OLでしたので、お金持ってました。

いいものしか買っていないので、おしゃれに気を使っている女子です。

なので、実はそれが彼女を助けたりします。

ブランドものを売ったり、博物館の仕事(身なりがきちんとしたので紹介してもらえました)できたりします。

貧乏でも安物買いの銭失いってやっぱり駄目だなと思いました。

日雇い労働でも、この子違うなって思われます。

 

でもでも、たまにはアイス買って寿司食べたいって泣き出してしまうことがあります。

このときはストレスがたまっていたのでしょう。

わたし、このあたりは泣きそうになります。

ちょこちょこコンビニ買いをしてしまう私が「できない」ってなるとみじめな気持ちとなります。たまには、できたらいいのです。

そしたら同じ日雇い派遣のミルキーさんが3000円くれます。

返せないのですが、彼女が善意でくれたのです。

今までいた友人は仁子以外「結婚前に彼氏に逃げられた」と言ったら誰も寄ってきませんでした。

彼女たちは不幸に敏感である、という描写はリアルです。

楽しいことには寄ってきますが、他人の重すぎる不幸にはかかわりたくないっていうのが「女友達」ってやつですよね。

苦労しているときに、だれがよりどころになるのかわかるものです。

 

節約の話も出てきますが、生活をなりたたせていくために自分をみつめなおす話でもあります。

モンブランというブランドの万年筆だけは売れない。

こんな状況でも売れないものは大事なものです。

 

これはシリーズものらしいので、まだ未読の方はぜひ、ご覧ください。