「始末屋ー池袋てるてる坊主殺人事件ー」を読んだ感想!
「始末屋 池袋てるてる坊主殺人事件」をこの前一気読みしました。
青木杏樹さんは本作を初めて手に取ったわけですが、読んだきっかけがあります。
こちらのnoteがとてもいい話だったのです。
人に読ませる文章をされていると思います。
すっと、頭の中に浮かびます。
ちょっと泣いてしまいました。
青木さんという方はどんな話を書いていらっしゃるのだろうと興味を持ったので本作をに取った次第です。
あらすじ
“お手元に始末したいものはありませんか”
池袋を震撼させる大学生連続リンチ殺人、通称・てるてる坊主殺人事件。
被害者は皆、頭にビニール袋が被された姿で発見される。
ジャーナリスト・小柳は被害者たちと怪しげな二人組の繋がりを掴む。
―依頼を受けた“もの”を秘密裏に始末するという都市伝説めいた存在、始末屋バルトアンデルス。
異能を持つ盲目の少女・律と、彼女を保護する一見軽薄な男・陽司。謎に包まれた彼らの思惑に、やがて事件は絡め取られていく。
Amazon、BOOKベースより引用
感想
てるてる坊主殺人事件、などとかわいい響きですが、嫌な殺され方をする死体があがってくるんです。
袋をかぶされて殴殺、自身の吐しゃ物や血などで窒息……。猟奇的です。
そんな折、主人公のジャーナリストが始末屋なるあやしい仕事をしている人々を突き止めます。
伏線がいくつかあったんですけど、私後半になるまで犯人がわかりませんでした。
感のいい方はすぐに気づくと思うのですが「まさか」です。
本気で始末屋が絡んでいるとさえ思いました。
こちらはシリーズ化する予定なのでしょうか、二人の素性がはっきりしないですね。
始末屋なんて名前しているから、殺し稼業ばかりしているのかと思いきや、捨てられないラブレターを捨てておいたり(本人にはできないだけで、かなりぼったくりな稼業)、タンスを捨てたりもしているんです。
のんきなシーンもあるわけです。キャラが魅力的なので、やりとりも軽快で面白い!
始末屋は基本、軽薄そうな男「陽司」ですが、彼が保護している盲目の少女「律」もいます。彼女は物の記憶をたどることができます。
負荷がかかるので、陽司はあまり頼りたがりませんが。
今回のテーマはジャーナリズムについて。
正しいジャーナリズムとは、に問うてます。
現代の話っぽいなあと思います。
でも律がいれる珈琲は飲んでみたいですね。
陽司と律の関係が親子でも恋人同士でも友人同士でもないのだけど、絆が深いです。
相棒、っぽいのでしょうか。
2人の関係性にモダモダしたい方や、あとイケてる犯罪社会学の准教授、神喰さんも魅力的なキャラです。
実写化できそうだなと思いました。
読んでいると思わず映像が浮かびます。
都会の擦れた感じや、アンダーグランド感が伝わってきます。
ぜひ、濃厚な読書体験がしたい方は本書を手に取ってみてくださいね。