とまとさんの生存報告。

働きながら最終的に小説家になりたい人のブログ。

こち亀の作者「秋本治の仕事術」が良書です。

 

 

こちら葛飾区亀有公園前派出所」の作者で知らられる秋本治さんがどうして40年間休まずにジャンプの過酷な週刊をやりくりしていたのか、という仕組みを知る本です。

 

とはいえ、種も仕掛けもございません。

 

この本書の肝は

 

「徹底したスケジュール管理」

「楽観的思考術」

 

にあると思います。

この手の本で、もの珍しいことは特に書いていないように思います。

でも、秋本治さんは週刊を楽しく乗り切ったという実績があります。

とても説得力があるし、真似できる要素はありそうに思えました。

早速、まとめますね。

 

徹底したスケジュール管理

・些細な無駄時間を省く。

 

秋本さんはとても怒らない人らしいですが、時間を守らないことは許せない人と編集者の間で知られているそうです。

というのも、週刊やりながら別の読み切りも書きたい人だからですね。

時間は有限ですから。

普通の人がネームを考えるのを「どうすっかな」と二日かかるところをやる、と決めたらすぐやって一日で終わらせちゃうそうです。

確かに、小さな時間が蓄積したら年間の無駄時間は計り知れません。

町工場の映像をみて、工具箱から道具を探す時間を省くために、道具自体をを壁にとりつけて年間の無駄時間を省いているのをみたそうです。

それで、どんどん些細な無駄時間を省こうと考えたそうです。

 

・スケジュールを自分で決める。

 

漫画でも中川の父親で、秒単位で動く男が出てきましたが(秋本さんは時代の先端を行ってますね)自分でスケジュールを決めていかないと、好きな仕事に時間をかけることができません。

年間愛読者賞がジャンプは年末に決まるそうですが、それをいただけるものと想定して年末のスケジュールを決めていきます。

年末はただでさえ締め切りも前倒しで忙しさが半端ないそうです。

ずっと先の予定まで組むのはやはり大事なことのようですね。

 

・納期前より早く仕上げる

 

角田光代さんの講演会でも言ってましたが、作家というものは編集者の言う締め切りが本当の締め切りではないと知っているそうです(笑)

ルーズな人だと本当の締め切りより前の日付を提示されるそうです。

それを見越してまだ伸ばせる、と考える作家さんもいるそうですが、秋本さんは前に仕上がっています。

でも編集者にできていることを感づかれたら先に渡してしまうそうです。

時間を節約して切り詰めて早く仕事をこなす。

案外できてしまうそうですよ。

やっぱり、余裕は重要です。

 

楽観的思考術

 

こち亀の作者っぽいですね。

イライラしたら同じところにとどまらない(そもそもイライラするのは時間がないからということが多いそうです、睡眠不足とか)

なんかなるでしょ、という思考。

秋本さんは時間術を守ることで人とのコミュニケーションも大事にしておられますし、人には絶対丁寧語らしいです。

なにやってんだ、てめえとか言わないんですね(笑)

穏やかなお人柄がよく本書にはよく出ておられました。キリキリしていたらずっと続きませんし病気にもなりますよね。

チャレンジ精神もすごいです。

苦手な野球をとりあえずやってみて(私なら誘われても絶対しない)ハマって野球チーム作ったり、新しい技術を勉強したり。

こち亀って最先端技術をよく漫画にしてましたよね。

柔軟な思考がないとついていけないと思います。

 

 

まとめ

 

天才だからできた、とうより時間を管理して楽しくやってきたから、できたんだと思います。

なんでもチャレンジ精神をもって、楽しくやる。

そのためには、有限である時間を無駄を省いて管理していくことが大事なんですね。

本書は実用書でありながらエッセイでもあります。

ぜひ、みんなが知っているこち亀がどうやってできていったのかわかりますし、挿絵もあって楽しいので手にとってみて下さい。