谷瑞恵さん「異人館画廊 透明な絵と堕天使の誘惑」の感想!
オレンジ文庫から出ているこちらのシリーズ。
発売からいくらかたっておりますが、読了いたしました。
いやあ、類似作品は数あれど、やっぱりこの方の作品は知識と展開とキャラが魅力的。
内容
大ヒット『異人館画廊』シリーズ、待望の第6弾!!
千景の元に
「僕が誰だかわかるかい? 僕たちは運命の糸で結ばれている。――もうすぐ僕は、絵を完成させる。見た人を不幸にする絵だ……」
と脅迫めいた手紙が届いた。
早速、調査に乗り出すキューブのメンバーたち。
プラチナミューズの矢神が関わる可能性も浮上し、謎は更に深まって……。
消えた図像術の研究者、有名な心霊スポット「切山荘」、四つの絵……点と点が線となり、やがて千景の過去へと繋がっていく。
誘われるように、自らの失った記憶に向き合おうとする千景を透磨は案じ、守ろうと二人の距離は近付いて――!?
1 心霊スポット
2 消える絵
3 ストリートパフォーマンス
4 過去からの断片
5 四神と怪物
6 魔が集う夜に
Amazonより引用。
感想
今回、千景の誘拐事件の真相に近づきます。
そして、テーマなってくる絵が「叛逆天使の墜落(ブリューゲル)」。こちらのブログに調べてはりつけようと思っていました。
小説を読んでいるときはイメージしか考えていなかったのですが、調べて怖くなりました。
絵の中に深層心理に訴えかけるイメージを埋め込めることを「図像術」といいます。
呪い、といってもいいかもしれません。
叛逆天使の墜落も怪物が描かれており、怖い絵として出てきます。
そこに人を操るモチーフを描けるとしたら。
主人公の千景は図像術に操られることなく、見破ることができます。
ただ、過去に誘拐事件があってから記憶が一部ありません。
幼馴染の透磨への気持ちも一緒に。
透磨も図像術が効きません。その謎のも本作で解明されます。
謎がほとんど解けていきました。もうすぐクライマックスかもしれませんね。
でも、図像術を復活させようとしている人々の存在が明らかになりました。
過去の誘拐事件はわかっても、もうひともんちゃくありそうですね。
個人的にカゲロウさんと千景さんの関係はわかったのですが、透磨に嫉妬してほしいです(笑)
透磨もカゲロウを信用しているのでそれはあまりなさそうです。
今回で父親が千景を嫌っているのではない、と感じます。
図像術なんてなくなったほうがいいと感じるのは千景が悪用されないようにするためでよね、きっと。
今回、図像術を描けるという男が現れます。
彼が千景をひっぱろうとしています。
透磨の執着心があることから、という理由もありますが、彼は自分の感情にもっと素直ならないといけませんよ。
ほんとう、谷さんてじれったい関係が超うまいんです。
近づいたと思ったら次の巻では「勘違いだったのかしら?」ってなるんですよ。
お互い、探り合い(笑)
そこがいいんですけどね。
これ、実写化したほうがいい作品です。
絵がたくさん出てきますので映像があったほうがイメージしやすいです。
文章が上手なので浮かびますが、さらに迫力があると思います。
キャストはだれがいいかなあ(勝手に妄想)
主人公の幼馴染ふたりがじれったいですが、両片思いで楽しいですよ!